白石正輝足立区議会議員による「謝罪発言」について

白石正輝足立区議会議員による「謝罪発言」について
NPO法人レインボー・アクションは、白石正輝足立区議会議員による2020年9月25日の足立区議会本会議における差別発言に対して、本人宛てに公開質問状を送付し、その回答を求め、また、駅頭活動や署名活動に協力することを通じて、対話の機会を求めて来たところであるが、公開質問状に対する回答もないばかりか、一連の活動に対する何らの反応もないまま、白石正輝足立区議会議員は2020年10月20日の足立区議会本会議において、「謝罪」と発言内容の「撤回」を一方的に表明した。
当法人としては、今回の「謝罪発言」を謝罪と認めることは到底できず、言い訳でも弁明でもない、単なる開き直りとしか言いようのない態度を表明したに過ぎない、かたちばかりの「謝罪発言」であったと断罪せざるを得ない。この程度の発言で、今回の問題の幕引きを図ることなど到底許されない。
まず、自身の発言を、「差別的な発言と受け止められる表現」と述べているが、これは「(自分の発言について)人によっては、もしかすると差別的であると受け止められる可能性がある表現であった」との認識を明らかにしたもので、自分自身は当該発言が差別発言であることを認めておらず、差別であると考えていなかったことが判明した。だが、当該発言が差別発言であることは疑いがなく、このような謝罪まがいの認識を許すことはできない。
また、今回の発言について、「不快と思っても別に良い」などとメディアの取材に対して述べているが、不快と感じる人がいるから問題であるのではなく、当該発言は公人による差別であり、攻撃であり、煽動であるからこそ、看過できず許されない問題であると指摘しているのであって、快不快の問題に矮小化することは不可能である。
さらに、当該発言は、歴史的に確立されてきた人権概念に対する挑戦であり、すべての人の人権に対する挑戦であると言える。従って、「不快な思いをされた方々」「傷つけたすべてのみなさま」に対してのみ、「お詫びを申し上げ」る程度の「謝罪」で済むような問題ではない。人権概念の普遍性を無視したこのような態度を受け入れることはできない。
一般質問については、「LGBTと少子化問題を結びつけた、私の価値観を主張した」「普通の結婚という自分の価値観を押し付けるような不適切な表現」と述べており、単に自身の「価値観を主張した」という程度の議論で済ませようとしているが、当該発言は単に「価値観」を述べたものとは到底考えられない。差別、偏見を公開の議場で披瀝することによって、差別と攻撃を煽動する、悪質極まりない差別煽動発言であって、明白に差別の意図を持った発言であることは明らかである。「価値観」ということばによって、自らの発言を免罪しようとする、幾重にも姑息で悪質な態度であると言わざるを得ない。
また、当該発言は、明らかに事実と異なる間違った内容によって満たされていたが、内容についての訂正や修正もなく、自らの認識を改めようとする気もないということが明らかとなった。この態度は、差別の煽動を放置することに他ならず、差別に加担する態度を明確にしたものであって、言いようもないほど悪質であると断定せざるを得ない。
その上で、一般質問における発言を撤回したいと述べているが、自らの議場での発言に責任を持つことなく、発言をなかったことにしようとする態度など、許されるはずもない。
発言の撤回を求めている部分についても、「問題となりそうなところだけ取り消す」という姑息な部分的な撤回であって、発言の主旨や自身の認識については、撤回せず誤りがないと考えていることも明らかとなった。自身の認識の何が間違っていたかについても触れられておらず、とりあえず発言を撤回することで、幕引きを図ろうとする卑怯な態度がいみじくもはっきりとあらわれている。
さらに、今回の発言の原因を「認識の甘さ」だと考えているようだが、認識が甘いのではなく、認識が間違っていることは明白であるが、それすらも認めようとしていない。
以上を総合すれば、今回の「謝罪」「反省」「撤回」「お詫び」は、どの点をとっても表面的なものでしかなく、理解しがたい姿勢、態度、認識のままであり、かたちばかりの域を出ないことは明らかで、額面通り受け取ることは不可能である。発言席においては、用意された原稿の棒読みすらままならず、見苦しい限りで、その内容が自身の本心から述べられたものでないことが明らかとなった。発言の撤回など、認められる余地もなく、許すべき状況にないことは明らかである。
メディアへの取材に対しても、「謝罪する気は全然ありません。辞職は全然考えてもいない」「謝罪そのものが考えられない」「すいませんでした。間違ってましたなんて、そんなやわな議員じゃないから」などと散々強がり開き直っていたにもかかわらず、問題が大きくなった段階で、一転して謝罪、撤回を表明するなど、開いた口も塞がらず、あきれるばかりである。11期に臨む自身の議会での発言のすべてが、このような程度の軽い態度、認識で臨んでいたとも考えられ、足立区議会におけるその存在意義さえ、もはや不明であると言わざるを得ない。自らの発言に責任を持って正面から向き合わず、ただただ謝罪をするふりだけで逃げるような態度では、早晩、同様の発言を繰り返すであろう。
また、先だって当法人から送付した公開質問状に対しても、何らの返答もない。「今後は、LGBTでお悩みになられている方々への、性の多様性を受け入れられるよう、努力してまいりたい」と真に考えているのであれば、何らかの返信があってもよいものと思われるが、結局のところ、そのような考えは全くなく、自身の免罪を求めるための、ただのアピールに過ぎないのであろう。
真に自身の発言の重さを反省し、性の多様性を受け入れられるよう努力するつもりがあるのであれば、私たちの意見表明を待たずとも、足立区議会の先頭に立って、差別を撲滅していくために行動されるであろうが、私たちは全く期待しない。そのつもりがないのであれば、白石正輝足立区議会議員の存在は、足立区議会だけでなく、社会全体にとって有害でしかないため、即刻辞職することを求める。

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