株式会社ラッシュジャパンによる「WE BELIEVE IN LOVEキャンペーン -LGBT支援宣言-」に関するレインボー・アクションの見解



株式会社ラッシュジャパンによる「WE BELIEVE IN LOVEキャンペーン -LGBT支援宣言-」に関するレインボー・アクションの見解

 レインボー・アクションでは、2014年5月に開催した「第1回レインボー・アクション映像祭」において、ラッシュジャパン チャリティバンクより助成金をいただきました。大きな会場を確保し、多くの映画を上映し、さらに、海外からもゲストを招いて、イベントを実施することができたのは、まさにいただいた助成金のおかげであると考えています。ここであらためて、感謝の意を表明したいと思います。

 現在、同社による「WE BELIEVE IN LOVEキャンペーン -LGBT支援宣言-」が展開されており、同社店舗において「ラッシュチャリティニュース#004」が配布されています。この冊子の中で、レインボー・アクションもチャリティバンクによる助成を受けた団体としてご紹介をいただいており、大変光栄なことだと考えています。

 しかしながら、同キャンペーンや冊子の特集記事は、残念ながら、必ずしも私たちの考え方と合うものではありません。

 この点について、同社のご担当の方を通じて、私たちの懸念についてご説明をするとともに、不適切であると考えられる表現については見直すよう求め、対話を重ねてまいりました。ご担当の方の真摯な対応のおかげで、私たちの考え方について、一定程度ご理解をいただき、共有させていただくことができました。また、表現についても、少なくない部分において、見直していただくことができました。

 しかし残念ながら、私たちの目指す方向性や考え方と、大きく異なっている側面が残されていることは否定できません。そこで、双方の考え方の異なる部分について明らかにするとともに、多くの人に私たちの考え方を知っていただきたいと考え、見解を公表することといたしました。

・「多様な愛のカタチ」という表現について

 本キャンペーンは「多様な愛のカタチを応援します!」「WE BELIEVE IN LOVE どんなカタチの愛も素晴らしい」と題されています。人が手をつないだ写真がもたらすイメージとともに、あたかも、すべての人が「愛する」という感情を抱いている、または、いだいていなければならないという考え方を、前提としているように見受けられます。

 しかしながら、すべての人が「愛する」という感情をいだいているわけではありません。とりわけアセクシュアルの人たちは、他者に対して恋愛の感情を抱くことがないにもかかわらず、社会において支配的な「恋愛は素晴らしい」「恋愛をしなければならない」という強迫観念の中、生きることを強いられています。このような性的指向のあり方を無視した表現は不適切であり、到底受け入れることができません。

・「LGBT」ということばについて

 冊子の全体を通じて、「LGBT」ということばが多用されていますが、このことばが何を意味し、どのような人たちを指すのか、明確な説明がありません。まずこの点は、大きな問題であると考えています。

 多くの場合、「LGBT」ということばは、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)を指すとされており、セクシュアル・マイノリティの総称として用いられることもあります。

 しかしながら私たちは、「LGBT」ということばは、セクシュアル・マイノリティの総称ではなく、本来、多様であるセクシュアル・マイノリティの存在を、「LGBT」の4者だけに限定・矮小化し、それ以外の存在を不可視化する、差別や排除をもたらしかねないことばであると考えています。

 また、「LGBT」ということばを用いているにも関わらず、「どんなカタチの愛も素晴らしい」との表現や、反同性愛法への抗議、また、同性間のパートナーへの結婚祝いの支給に関する紹介など、性的指向のあり方のみに着目しており、性自認のあり方については無視しているように見受けられ、不適切であると考えています。表紙や記事の見出しにある「誰もが自分らしく」との表現とも矛盾すると考えられます。

・「支援(宣言)」について

 レインボー・アクションでは、(移民・難民プロジェクトの一部活動を除き)「支援」する活動を展開していません。しかしながら、特集記事においては「LGBT支援等の活動に取り組む草の根団体」として、レインボー・アクションが紹介されています。この表現は大きな誤解を生む可能性があり、非常に不適切であると考えています。

 「支援」ということば自体が、「支援する」側と「支援される」側という権力構造を前提とし、かつ、そのような権力関係を強要することにつながる可能性を持っています。支援を必要としている人もいれば、必要としていない人もいることは明らかですし、関係性は時と場合によって常に変化しています。一方的に「支援する」と宣言することによって、セクシュアル・マイノリティを「支援されなければならない対象である」と規定することにもつながりかねないため、不適切であると考えています。



レインボー・アクションは、「市井に生きるセクシュアル・マイノリティと友人たちの生活感覚と存在を、社会的に可視化して行く目的」で活動しています。
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