文部科学省の高校教材『健康な生活を送るために』に抗議する



文部科学省の高校教材『健康な生活を送るために』に抗議する



2015年8月下旬に文科省のサイトに公開された高校保健・啓発教材『健康な生活を送るために(平成27年版)』
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08111805.htm
(以下、「副教材」)について、レインボー・アクションは次の点について抗議します。

1・15章「性感染症」のP.31に、厚生労働省製作の図版が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/dl/poster_kansenshou.pdf
ひとりの大きなズボンをはいたグレーのアイコンに、八人のスカートをはいた紅白のアイコンが接続されているこの図版ですが、ズボンがグレー、スカートがすべて赤という時点で、ジェンダーの多様性についての視点が皆無です。
また、代表的男性は多くの女性と性交するものであり、女性は一人の男性とのみ性交するという価値観があらわされており、これは同性愛者やバイセクシュアルの無視であり、異性愛者を含めた女性の性の自己決定権を軽視するものと言わざるを得ません。
さらに、「性感染症 相手が増えれば リスクも増える。」というキャッチコピーと、このグラフィックを合わせて見れば、感染させられるのは男性/感染させるのは女性という、極めて一方的で誤まったメッセージとなり、教育上、非常に有害です。

2・16章「HIVとAIDS」において、男性同性間の性交渉について、記述が完全に欠如しています。
平成20年エイズ発生動向年報を元にした研究では、HIVで96倍、AIDSで33倍という推計が出ており(※)、今現在においても、男性と性交する男性のHIV感染率やAIDSの有病率は、そうでない男性に比べて圧倒的に高いと考えられます。
それにも関わらず、この副教材には、コンドームなどを使わない男性同性間の性交渉が、異性間性交渉に比べ危険であることが一言も書かれていません。
これは同性間性交渉に対する無知を放置することによって、そうした欲望持つ高校生を危険にさらす行為であり、ネグレクトです。
また、意図的に同性愛という言葉を回避するということは同性愛憎悪、ホモフォビアでもあります。

※「厚生労働省科学研究費補助金 エイズ対策研究事業 男性同性間のHIV感染対策とその介入効果に関する研究・日本成人男性におけるMSM人口の推定とHIV/AIDSに関する意識調査」
http://www.msm-japan.com/report/wp-content/uploads/2010/08/10-塩野徳史.pdf
を参照した

以上のようにこの副教材は、性的少数者の立場と弱者性に全く配慮がなされていないどころか、その存在を不可視化し、不当に危険に晒す可能性のあるものであり、強くこの事実に抗議します。





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