【緊急キャンペーン中】レインボー・アクション移民・難民問題を考えるプロジェクト 『東日本入国管理センター被収容者支援キャンペーン2012』

レインボー・アクション「移民・難民問題を考えるプロジェクト」は東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されているセクシュアル・マイノリティの人々の深刻な収容状況について声を上げるため、2011年7月に発足しました。
日本に暮らすセクシュアル・マイノリティがみな「日本人」とは限りません。国籍やエスニシティの違い、在留資格の有無によって、社会から、さらにはセクシュアル・マイノリティのコミュニティやネットワークからも取り残されてしまう人々がいます。
本プロジェクト・チームは国境を越える人の移動とセクシュアリティの関係について、当事者が直面している現状から考え、当事者やその友人らとともに行動することを目指しています。
今回のキャンペーンは、ある方の度重なる自殺未遂を発端に、東日本入国管理センターに収容されているトランス・ジェンダーの方々の早期仮放免と収容状況の改善を目標にスタートしました。
ミッシェルさん(出身:フィリピン)
ミッシェルさんはMTFトランス・ジェンダー。来日後しばらくは東北地方のとある都市で仕事をしており、日本在住歴はおよそ13年。現在の収容期間は1年10カ月を越え、収容所内でも最も長期に収容されている一人である。
女性としてのアイデンティティを持ち、女性専用の施設を希望したが、パスポートの性別が男性であるため、男性ブロックに収容されている。収容前に性転換手術の一部を行ったため、毎日の服用が必要な薬があるが、収容所内の医師は適切に処方してくれない。仮放免申請は過去に2度却下され、改めて準備を進めていたが友人らと上手く連絡が取れず、申請に必要な身元保証人を見つけることが出来なかった。
2012年6月、有害な洗剤を飲んで自殺未遂を図る。緊急に病院に搬送され一命を取り留めた。その後も移民難民PTは面会を繰り返しているが、彼女の表情からは笑顔が消え、目には涙が浮かび、声は常に震えるという状態に陥っている。精神安定剤、睡眠薬を服用しているが、夜眠れない状況が長く続いている。
7月には再び自殺を図る。命は助かったが次の自殺が頭に浮かんでしまうという。ミッシェルさんは過去に日本で性暴力被害にあったうえに、十分な補償を得ることもできず現在もPTSDに苦しんでいる。
本人は収容所を出たらレインボー・アクションのメンバーとしてともに活動することを希望している。
(掲載とキャンペーン実施にはご本人の了解を得ています。)
移動の自由を奪い人間らしい生活を制限する収容は非人道的な行為です。わたしたちは人の収容そのものに強く反対します。「良い待遇なら収容されてもよい」わけではありません。同時に、いまこの瞬間も収容されている人々の現実にも向き合っていきたいと思っています。特に、1年以上の長期収容となる傾向があるトランス・ジェンダーの方の収容状況の改善と早期仮放免を目指して、面会と法務省入国管理局へ具体的な申し入れ活動を続けます。
<入国管理局収容施設の状況>

トランス・ジェンダーの被収容者は女性としてのアイデンティティをみずから表明しているにもかかわらず、パスポートなどに登録された性別に基づいて、男性ブロックに収容されています。
また、収容される以前に性転換手術を受けた方もいますが、収容後、入管の医師からは手術後に服用していたのと同量のホルモン剤などが処方されていません。全く処方されていないケースもあります。このようなトランス・ジェンダーの方への配慮のなさから、当事者は体調不良や望まない身体の変化、眠れない、鬱などに悩まされています。体に触られる、入管職員による身体と性に関する不要な質問などのセクシュアル・ハラスメントも起きています。
これ以上の状況の悪化を防ぐため、みなさまのご支援をお願い致します。
<支援基金の使いみち>
◆みなさまにご支援いただいた基金は、被収容者支援に使わせて頂きます。例えば…
・テレホン・カードの差し入れ
収容所内へ外部から連絡を取ることは手紙の郵送と面会に限られています。内部から、家族、友人、法的代理人、支援者などへ連絡するには、手紙の郵送または限られた時間内に共有の有料電話の使用という方法しかありません。テレホン・カードの差し入れによって、仮放免申請の打ち合わせ、緊急の連絡、孤独に耐えられなくなった時など、誰かに確実に連絡ができる条件を整えたいと思います。
・めがね、着替え、本、シャンプー等の日用品の差し入れ
被収容者は収容所内から洗剤やシャンプーなどある程度の日用品を購入することができます。しかし、移動も仕事もできない被収容者に収入はありません。特にトランス・ジェンダーの方は長期に収容される傾向があり、友人や家族がいない・連絡できない状況にあります。高価なものを新しく購入することはできませんが、少しでもひととして尊厳を失わない生活が送れるよう支援します。みなさまからの物品支援も受け付けていますので、お問い合わせください。
・面会と報告活動費用
面会時間に直接会って話をすると孤独感を和らげストレスを解消するから、ぜひ頻繁に来てほしいとのリクエストがあります。また、直接入国管理センターに対して早期仮放免、適切な対応要請の申し入れを行っています。面会で把握した収容所内の処遇状況や活動の進捗については報告会の開催などを通して広く市民社会へ発信します。(2012年8月)
<支援基金口座はこちらになります。>
郵便振替口座:00180-3-744142
加入者名:レインボー・アクション移民難民支援基金
<お問い合わせ先>
rainbowaction.net@gmail.com
(レインボー・アクション 移民・難民問題を考えるプロジェクト・チーム)
みなさまのご支援・ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

公式サイト
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◆レインボー・アクションの活動はカンパで運営しています。上記の活動を続けるには、ミーティングやイベント開催のための会場使用料、事務経費、郵送料、交通費、デモや街頭アクション開催のための車両レンタル代、横断幕制作費などの出費が見込まれます。今後も活発に活動を続けるためにも、ご支援・ご協力をお願いいたします。